歯ぎしりの音、聞いたことありますか?
自分で自分の歯ぎしりの音を聞くことはまずありません。
かくいう私も歯ぎしりをしているようです。
中には自分で気づく人もいるようですが、私は自分で気づいたことはありません。
音の出るような歯ぎしりは、寝ている間に無意識でしていることがほとんどだからです。
自分以外の歯ぎしりの音を聞いたことはありますか?
あまりに大きい音にびっくりした人もいるでしょう。
歯ぎしりと一言で言っても、実は複数の種類が存在します。
いわゆる「歯ぎしり」と言われるものは、その一つです。
歯ぎしりには以下の3つの主要なタイプがあります。
通常、以下の3つを総称して、ブラキシズム(Bruxism)と呼んでいます。
ブラキシズムの種類
1. グラインディング(Grinding)
グラインディングは、一般的に「歯ぎしり」として認識されるものです。
上下の歯を擦り合わせる動きが特徴です。
通常、寝ている間に無意識に発生します。
グラインディングによって出る音は、ギリギリ、コリコリ、キュッキュッなどと表現されることが多いです。
中には、びっくりするくらい大きな音が出る方もいます。
2. クレンチング(Clenching)
クレンチングは、歯を強く噛み締める動作です。
これも寝ている間に起こることが多いのですが、日中に無意識に行われることもあります。
グラインディングとは異なり、歯を擦り合わせるわけではありません。
その場でじっと噛み締めている状態が続きます。
3. タッピング(Tapping)
タッピングは、上下の歯をカチカチと軽く接触させる動きです。
タッピングは比較的稀なタイプのブラキシズムです。
グラインディング(歯ぎしり)ほど大きな音は出にくいのが一般的です。
上記3つは全て上の歯と下の歯を接触させている行為です。
グラインディングをする人が、クレンチングもしているというように、どれかひとつ単独で行っている場合ばかりではありません。
寝ている間でも、ある時間帯はギリギリと歯ぎしりをし、他の時間帯では食いしばっているということもあります。
これら「ブラキシズム」は一種の習癖と捉えられていますが、悪い習慣として問題視されることが多いのです。
では、歯ぎしりをはじめとするブラキシズムは、本当に悪者なのでしょうか?
そのためには、ブラキシズムが起きるメカニズムについて考える必要があります。
次では、作用機序を掘り下げていきましょう。